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筋力とは文字通り「筋肉の力を発揮する能力」のことです。特に握力は物を握るときに発揮する力のことで、前腕部と上腕部の筋肉によって力を発揮します。握力は上半身の一部の筋力に過ぎませんが、全身の総合的な筋力と関連性があることが多くの研究で明らかになっています。握力は簡便かつ安全に測定ができることから、筋力測定の指標として多く用いられます。
筋力が低下すると、主に不活動が原因として起こる「サルコペニア(筋肉減少症 )」「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」「フレイル(虚弱)」を引き起こす可能性が高くなります。これらは全身の「筋力低下が起こること」を指し、歩行の際にスピードが遅くなる・杖や手すりが必要になる、などの身体機能低下の要因となります。また、筋力の低下は糖尿病・心筋梗塞・脳卒中など様々な疾患に繋がる可能性があるといわれています。
トレーニングで筋肉に負荷をかけることにより、筋線維が部分的に損傷します。損傷した筋線維は回復期を経て、損傷する前よりも少し太い筋線維へと修復されます。この現象を「超回復」といい、超回復を繰り返すことで筋線維が太くなり、筋力の強化につながります。
トレーニングはただ闇雲にやるのではなく、目的とする部位をしっかりと鍛えることが重要です。『握力』が低いからといって腕や前腕部分だけを延々と鍛え続けるのではなく、上半身・下半身共にご自身の体力レベルにあった運動を取り入れていきましょう。InBody(体組成計)を測定した方は、結果表の「部位別筋肉量」を参考にしてご自身の筋肉量の少ない部位を重点的に鍛えるようにしましょう。
体力の一要素であり、筋肉と腱が伸びる能力のことです。柔軟性は、「静的柔軟性」と「動的柔軟性」という2つの面から捉えることができます。静的柔軟性とは『関節可動域』、すなわち身体の柔らかさを表し、動的柔軟性とは『関節可動域における動きやすさ』、すなわち運動のしなやかさを表します。
体力測定で測定した柔軟性は、静的柔軟性となります。
加齢とともに柔軟性も低下する、という傾向があると言われています。筋肉が硬くなり柔軟性が低下することで、関節の動き(可動域)が制限され、ロコモティブシンドロームの原因になったり、転倒による怪我のリスクが上がったりします。また、日常生活では血液循環の悪化による浮腫み・冷え性を生じることや、疲労物質の蓄積による肩こりや腰痛などの原因に繋がることもあります。
筋肉は温まると伸びやすく、冷えると伸びにくくなる性質があります。ストレッチは、お風呂上りや運動の後など、筋肉が温まっている状態で行うとより良い効果が得られます。また、動作中に深い呼吸を繰り返すことで副交感神経が優位となり、より筋肉が伸びやすくなります。伸ばしている筋肉を意識しながらゆっくりと行いましょう。ストレッチは、寝る前に行うことで質の良い睡眠に繋がり、仕事中に行うことで良い気分転換となるなど、健康に繋がる様々な相乗効果があります。毎日少しずつでも良いので取り入れてみましょう。
一言でいうと身体の「バランス能力」のことです。身体を一定の姿勢に保つ能力のことで、静止時や身体の重心移動を行う際、姿勢を維持する為に必要な運動能力となります。また、バランス能力の構成として、感覚系・中枢司令系の他に、「筋力」要素も関与しています。特に加齢による筋力の低下が、平衡性の低下にも繋がる可能性が考えられます。
平衡性は、「立つ」「歩く」「姿勢保持」などの基本的な生活機能の重要要素となります。特に姿勢の保持は、視覚情報・感覚情報(筋肉・腱・関節の情報、足裏などの感覚情報)・三半規管などを基に脳が中枢処理を行い、出された指令を骨格筋が実行することでなされます。要はこれらの反応が衰えることでバランス能力が低下します。特に懸念されるのは「転倒」です。転倒は骨折(手首・大腿骨・脊髄圧迫骨折・肩)に繋がるケースが非常に多く、骨折の中でも大腿骨の骨折は「生活の質」を著しく低下させる可能性があります。まずは転倒しないためにも普段からバランス運動を積極的に取り入れていきましょう。
市販のツールとしてバランストレーニング専用機器(不安定な支持面での運動)もありますが、機器を利用した運動は比較的運動強度が高く、運動中の転倒のリスクも高くなるため、まずはスクワットなど下肢の自重運動にバランスの要素を追加したトレーニングをお勧めします。また、体幹(コア)を強化することも重要です。下肢のバランス運動と体幹の運動を織り交ぜる事で、より高い効果が得られると考えられます。特に高齢者は、筋力がある人とない人では転倒リスクが大きく異なるとも言われており、平衡性が低い方は筋力の結果も併せてご確認ください。
筋持久力とは「荷物を運搬」や「階段の昇降」など繰り返しの負荷を何回続けられるかという筋肉の持久力のことです。筋肉を長時間動かすためには、筋持久力が必要です。良く耳にする「スタミナ」は筋持久力とは異なり、「全身持久力」となります。全身持久力は主に心肺機能を必要とするため、ランニングや水泳などといった有酸素運動で強化する事ができます。
筋力と同様に年齢を重ねることで筋持久力も低下していく傾向があります。筋持久力が低下すると、同じ筋肉を動かし続ける能力が落ちることから、歩行であれば脚が上がらなくなる等といったことから転倒のリスクが高くなります。日常生活で一定の動作を連続して行った際、人一倍疲労を感じる方は筋持久力が低下している可能性があります。
鍛えたい筋肉に直接負荷をかけたトレーニングが効果的です。運動方法としては、連続して低負荷で1セット20回~30回行うことと、セット間のインターバルは短めに行うことが重要です。また、筋肉量の多さに比例して体内エネルギーを生み出す役割があるため、大胸筋・広背筋・大腿四頭筋といった大きな筋肉部位を鍛えることが効率的です。
敏捷性とは、動作の素早さ(機敏さ・すばしっこさ)に関する能力となります。日常生活では信号で急に走り出す動作や段差等で足を踏み外した際のとっさの動きなど、いざというときに発揮する力です。急な方向転換や速度変更のような動作が必要なスポーツ競技では、特に重要視されます。英語では「agilty(アジリティ)」と言い、スポーツを楽しむ方はこの言葉を耳にする機会が昨今増えてきていると思います。
とっさの時に危険を回避する動作が遅れます。段差から足を踏み外した時や、つまずいた時に瞬時に体制を修正をする、何かにつかまって転倒を防ぐ等の動作が鈍くなってしまいます。一般的に年齢を増すごとに敏捷性も低下するため、特に高齢者は転倒要因の一つとなります。
またスポーツの場面においては、瞬時の動作切り替え等が鈍くなり、競技パフォーマンスの低下に繋がります。
合図に合わせて歩き出す、合図に合わせて方向転換する、など瞬時に動作を切り替える必要のある運動や、細かく素早い動作で足を前後に動かす・ステップ台を使用して素早く昇降動作を繰り返す、等も効果的です。また、反復横跳びの動作を応用し、両端にペットボトルを設置し、出来るだけ素早く左右に動きながらペットボトルに触れる運動もお勧めです。
素早い動きの中で、筋肉がどれだけ強い力を発揮するか、という能力になります。瞬発力は「筋力×スピード」で算出され、瞬間的にどれだけ強い力を発揮するかが重要となります。(遠くへ投げる、遠くに蹴る、高く跳ぶ、遠くへ跳ぶなど)スポーツ競技にはとても重要な役割をもつ体力要素となります。
筋力や瞬発力は年齢を重ねると共に低下していきます。従って、全身のスピードや瞬時に力を出す能力も併せて衰えてきます。実際の日常生活では瞬発力を発揮する(必要とする)場面というのはあまり多くはありませんが、何かとっさに動かなくてはいけないときや、物を持たなくてはいけないときに、身体が思うように動かず怪我に繋がるリスクがあります。
ある程度の重量の負荷を瞬間的に持ち上げるなど、一般的に「クリーン(全身の力を使ってバーベルを床から引き上げて肩に乗せる動作)」と呼ばれるトレーニングがお勧めになります。ただし、普段運動をしていない人がこのクリーンを行うと怪我をするリスクが非常に高くなるため、実際に行う際には細心の注意が必要です。まずは自重で身体を大きく動かす運動として、ラジオ体操やダイナミックストレッチ(通常よりも大きく動くストレッチ運動)からはじめ、併せて筋力トレーニングも行いましょう(瞬発力をあげる運動はある程度筋力があることが前提となるため)。
他の体力要素もそうですが、特に瞬発力は短期間で身に付くものではないので、徐々にステップアップをしていくことが大切です。